単に裸眼で見えにくくなるだけじゃないんです。。
近視ってなんで進行抑制した方がいいの?
単に裸眼で見えにくくなるだけじゃないんです。
知っている方は少ないかも知れませんが、日本人の失明原因の第5位は強い近視(強度近視)による網脈絡膜萎縮です(図1)。さらに強度近視は、近視性黄斑変性、緑内障、網膜剥離、白内障などのさまざまな眼疾患のリスクファクターになります(図2)。
近年、近視の有病率が世界的に増加しており、発症が低年齢化しています。子どもの近視は初期には軽い近視ですが、発症した年齢が低いほど進行が速く長期間に渡って進行することから、将来大人になってから強度近視になる可能性が高くなります。したがって、大人になってからの強度近視に関連する眼疾患の発症を予防するためには、これから近視が進む6~15歳のまだ近視軽い時期に近視進行抑制治療を始める必要があります。
子どもの近視は、目の奥行きの長さ(眼軸長)が伸びることが主な原因であり、この眼軸長が長くなり網膜が過度に引き伸ばされることにより、将来、さまざまな眼疾患を発症するリスクが高くなります。当院では、お子さまの眼軸長をモニターしながら、低濃度アトロピン(マイオピンTM)、オルソケラトロジー、多焦点ソフトコンタクトレンズなどの科学的な根拠がある最先端の近視進行抑制治療を行います。詳しくは、トップページの近視進行抑制の項目で紹介しています。ぜひお気軽にご相談ください。
〈参考文献〉
近視から子どもたちの目を守れ!近視と闘い続けた眼科医からのメッセージ.木下 望 著.幻冬舎,2021.
クリニックではじめる学童の近視抑制治療.平岡 孝浩,二宮 さゆり 編.文光堂,2021.