About 眼瞼下垂とは
眼瞼下垂は、様々な原因によって上眼瞼(目の上のまぶた)が下がってくることによってモノが見えにくくなる状態を指します。黒目の中央部分にあたる瞳孔を下がってきたまぶたが隠してしまうことによって「見えにくさ」を感じるというわけです。
「眼瞼挙筋」「ミュラー筋」「前頭筋」という3種類の薄い筋肉が作用してまぶたを持ち上げており、この中のいずれかの筋肉の力が1つでも落ちると眼瞼下垂に繋がります。また、まぶたを上げるように司令を出している神経の機能低下によっても眼瞼下垂になります。
眼瞼下垂では、見えにくいという症状以外にも肩こり、頭痛など症状から額のしわが寄る、いつも眠たそうに見えるなど見た目の症状も現れるため、機能面だけでなく、審美的な観点から気にかけている患者様も大変多いです。
眼瞼下垂のセルフチェック
- 目の高さに鏡を用意します。
- 目をつむり、おでこのしわを下にしっかり伸ばすように何回か撫でます。
(この際、おでこの力を抜いてください) - 眉の上に中指と人差し指を眉に対して平行に当てて、眉の上をしっかり抑えます。
- おでこの力を抜いたまま、まぶたを上げて鏡を見ます。
Cause 眼瞼下垂の種類と原因
眼瞼下垂は、大きく「先天性眼瞼下垂」と「後天性眼瞼下垂」の2種類に分けることができ、
さらに後天性眼瞼下垂の中に実際は眼瞼下垂ではないが、眼瞼下垂のような状態に見える「偽眼瞼下垂」があります。
先天性眼瞼下垂
先天性眼瞼下垂とは、生まれつき、上まぶたが下がって開きにくくなっている状態の眼瞼下垂です。
生まれつき、眼瞼挙筋というまぶたを上げる筋肉の力が弱かったり、まぶたを上げる筋肉を管轄している神経の異常の2つが主な原因として考えられます。
まぶたが下がってくる意外に、片側にだけ重度の眼瞼下垂がある場合には、視力が正常に発達せずに弱視に繋がることもあります。
前述の2つ以外にもマーカスガン現象といって、まぶたを上げる筋肉と口を動かす筋肉が神経的に繋がっていることによって、口を動かすとまぶたが上下に動いていしまう現象で、多くの場合、片側だけに症状が現れます。
後天性眼瞼下垂
後天性眼瞼下垂とは、今まで普通にまぶたが開いていた人が、徐々にもしくは急にまぶたが下がって開きにくくなる眼瞼下垂です。
加齢に伴う筋力の低下や、まぶた内の軟骨とまぶたを持ち上げる筋肉の連結部分にあたる挙筋腱膜が緩んでしまうこと、皮膚の弛緩、長期コンタクトレンズの装用などが原因として挙げられます。また、開瞼器という手術の際に目を開く器具を用いた手術(白内障手術、網膜硝子体手術、緑内障手術など)を受けたことがある人も起きやすいとされています。
偽眼瞼下垂
偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)は、後天性眼瞼下垂の中の1つで、厳密には眼瞼下垂ではないのですが、まぶたが垂れ下がって目が開きにくいなど眼瞼下垂と似たような症状が現れるため、そう呼ばれています。
まぶたの筋肉や腱は正常に機能していますが、まぶたの皮膚のたるみが強くなり、結果として眼瞼下垂同様に見えづらい、まぶたが重く感じる、頭痛や肩こりなどの症状が現れます。
原因としては、眉下下垂、眼瞼皮膚弛緩症、眼瞼痙攣、小眼球症などが挙げられます。
Feature 当院の眼瞼下垂の特徴
機能面と審美面の両立
眼瞼下垂手術を行う医療機関は、眼科の他に形成外科があります。 それぞれ治療の目的が異なり、眼科では視機能の改善を、形成外科では審美面(見た目)の改善が治療目的となります。 当院では、機能面と審美面の両立を追求した治療が可能です。 また、あくまで保険診療が中心となりますが、美容的な観点を追求したいという患者様には自由診療として保険診療ではカバーできない「形のオーダー」も承っています。
患者様の症状に合わせた術式の選択
当院では、保険診療から自由診療まで幅広い術式に対応しています。個別に異なる患者様の症状に合わせて適切と思われる術式を選択し、術後結果にコミットします。また、複数の術式を同時に行うことも可能ですので、まぶたでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
将来を見据えた治療設計
患者様のご年齢によっては、白内障が始まる時期に差し掛かっていたり、眼瞼下垂と白内障の両方を発症している場合が多々あります。まぶたが下がっていると角膜のカーブに影響が出て、白内障手術時に挿入する眼内レンズの度数計算に影響が出る場合があります。(特に多焦点眼内レンズの場合)当院では、白内障手術、眼瞼下垂ともに豊富な執刀実績を持つ院長が執刀しますので、患者様の目に合わせた適切な治療設計が可能となります。
顕微鏡を用いた精度の高い施術
形成外科はルーペもしくは肉眼での判断が通常となりますが、当院では眼瞼性専用の顕微鏡を用いてより細部の組織(筋肉の層別の判断が可能)を見た上で施術が可能となるため、より精度の高い施術を行うことが可能です。
痛みや恐怖感に配慮した麻酔法の工夫
当院では、痛みや恐怖感に配慮し、局所麻酔に加えて吸入麻酔と笑気麻酔から使い分けて施術を実施します。手術と聞くと不安に思われる方も多くいらっしゃるかと思いますが、痛みや恐怖感に最大限配慮し、リラックスした状態で治療を受けて頂けますのでご安心ください。
About surgery 眼瞼下垂の治療・手術方法
について
眼瞼下垂の治療の基本は保険診療となります。 眼瞼下垂の手術には保険診療と自由診療(完全自己負担)の2種類があります。 基本的な考え方は「治療の目的」の違いで、保険診療は「症状と機能面の改善が目的」、自由診療は「症状を審美面(見た目)の改善が目的」となります。
当院では、保険診療から自由診療まで幅広い術式に対応し、 患者様の目の状態とご要望に合わせて術式を使い分ける、 もしくは複数の術式を用いて治療を目指します。
保険診療
- 挙筋短縮術
- 挙筋群短縮術
- 前頭筋吊り上げ術
- 眉下皮膚切除術
- 二重埋没法
- 睫毛上皮膚切除術+二重作成
自由診療
- 下眼瞼脂肪ヘルニアの経結膜脂肪切除
- 自費の二重埋没法
- 眉下皮膚切除
- 下眼瞼皮膚徐皺(皮膚切除のみ)
- 裏ハムラ法(経結膜下眼瞼脂肪移動)
Flow 手術までの流れ
1
初診・カウンセリング
手術内容、手術の流れ、所要時間、注意事項などについて説明を行います。
手術を受けられる場合は、採血検査を行います。
2
受診2回目・手術日の決定
手術日当日まではリラックスしてお過ごしください。
3
受診3回目・手術当日
お手洗いは手術前に済ませてください。
手術は術式にもよりますが、30~40分程度が目安となります。
院内のリカバリールームで休んでいただいた後、ご帰宅頂けます。 手術後は安静にお過ごしください。
4
手術翌日
医師が確認し、手術時の創口(傷口)が問題なければ、洗髪・洗顔の許可が出ます。
5
手術1週間後
抜糸後もしばらく赤みが続きますが、長くても3ヶ月から6ヶ月程度で落ち着きます。
抜糸後は、徐々に間隔を開けながら経過観察を行っていきます。
Price 費用
使用する術式や薬剤、麻酔方法によって費用が前後しますので、
あくまで目安としてご参考にしてください。
保健適用の場合
1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | |
眼瞼挙筋前転法+麻酔等 片眼 | 約14,400円 | 約28,800円 | 約43,200円 |
筋膜移植法+麻酔等 片眼 | 約37,060円 | 約74,120円 | 約111,180円 |
その他 | 約12,140円 | 約24,280円 | 約36,420円 |
費用負担を抑える制度について
高額療養費制度
高額療養費制度とは、医療費によって家計負担が重くならないように、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費がその月(1日〜末日まで)の上限額を超えた場合に、超えた分を支給する制度です。上限額については、患者様の年齢や所得によって異なります。詳しくは当院スタッフまでお申し付けください。
限度額適用認定証
窓口で支払った医療費が後から払い戻しされる高額療養費制度に対して、あらかじめ医療費が高額になると分かっている場合には、限度額適用認定証を提出することによって窓口でのお支払いが自己負担限度額までとなります。
医療保険
ご加入されている医療保険によっては、手術に関する特約の中で条件などによって手術費用が抑えられる場合があります。手術前に加入されている保険会社に確認を取っておくようにしましょう。
自由診療の場合
下眼瞼脂肪ヘルニアの経結膜脂肪切除 両眼 | 231,000円(税込) |
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自費の二重埋没 両眼 | 99,000円(税込) |
自費の眉下皮膚切除 両眼 | 198,000円(税込) |
下眼瞼皮膚徐皺(皮膚切除のみ) 両眼 | 150,000円(税込) |
裏ハムラ法(経結膜下眼瞼脂肪移動) 両眼 | 440,000円(税込) |