フェイスリフト(糸リフト・切開リフト)とは?糸の種類による効果の違いやメリット・デメリットを解説
鏡を見たとき、ちょっと老けたかも。しわやたるみが気になってきた。そういった方はフェイスリフトと呼ばれる美容施術が効果的かもしれません。
フェイスリフトの中にも糸リフト、切開リフトに分かれ、また糸リフトといっても糸の種類がいくつかあります。それぞれの効果やメリット、デメリットについて正しく理解して、希望の施術がどれなのかを整理しましょう。
本記事では、フェイスリフトの基本から糸の種類による効果の違いまで、詳細に解説します。美しいリフトアップ効果を手に入れたい方や、施術を検討中の方は必見です。
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たるみの原因とは
顔の構造(皮膚・皮下脂肪・靭帯・骨・筋肉)による場合が多いです。年齢を重ねるにつれて、肌の支えであるコラーゲン、エラスチンなどが徐々に減り、繋がりが弱くなることで肌にたるみが生じます。
また、皮膚の下にある脂肪がぐっと減ると、相対的に皮膚が多くなるため、皮膚がたるみます。
逆に、脂肪が過度に増えすぎても脂肪の重みで重力で下に引っ張られることにより皮膚がたるみます。
さらに顔には、骨と皮膚を繋ぐ靭帯があり、この靭帯が年齢とともに緩むことで、たるみが生じます。
骨も年齢とともに萎縮をしていくため、痩せてしまった骨の上についている皮膚や脂肪がたるみます。それに紐づく筋肉が下に引っ張る力が働いているため、たるみが生じます。
単に皮膚だけがたるんでいるわけではなく、お顔全体の支えが少なくなっていくことがたるみの原因となります。
そのため、たるんでいる原因は何かをしっかり把握してからの治療が必要です。
フェイスリフトとは
加齢により、たるんでしまった皮膚を引き上げるアンチエイジング施術のひとつです。
主に、切開をせず糸で吊り上げるものと切開を伴うものとで、2つのタイプに分類されます。
切開をしないタイプのものは、皮膚の下にある脂肪層に溶ける糸・溶けない糸を入れて糸で引っ張り、たるんだ皮膚を持ち上げます。(クリニックによって使用する糸の種類が異なります)
一方で、切開を伴うものは、切開リフトと呼ばれ、顔の横(もみあげの中や前、もしくは耳の前や耳の形に沿って)からメスを入れて、一旦、皮膚を顔からはがし、ピンと引っ張ってから縫います。
糸リフト(ハイパーリフト・スレッドリフト)とは
顔や首などの皮膚を引き上げ、若々しい見た目を取り戻すために行われます。
糸リフトは、特殊な糸を皮膚の下に挿入して引っ張ることで、たるみを引き締め、リフトアップ効果を狙います。
糸の素材は、非吸収性、吸収性の2つのタイプがあり、また糸にコグ(返し)の有無があります。
コグがついているものは、より引き締めとリフトアップの効果を期待できます。
引き締め(タイトニング)を狙う場合
コグがない方の糸を皮膚の下に入れて、糸を入れた刺激により、コラーゲンやエラスチンが生成され引き締め効果を狙います。
引き上げ(リフトアップ)を狙う場合
コグがある糸を脂肪層に入れて、脂肪に引っかけて引っ張ることでリフトアップを狙います。
非吸収性
体内に入れても自然分解されて吸収されない糸。
トラブルが多かったり、年数が経ってくると飛び出てきたりするため、現在はあまり使用されておりません。(金の糸など)
吸収性
一定期間で体内に吸収される糸で、現在は吸収性の糸の使用が一般的です。
吸収性の中でもPDO、PCL、PLAとで糸の種類が分かれます。
糸の種類 | 持続期間 | リフトアップ効果 | 特徴 |
PDO | 6ヶ月ほど | 並 | 外科手術にも使用するため、安全性が高い |
PCL | 2〜4年ほど | 強い | 熱に弱く、他の施術との併用が難しい |
PLA | 約1年半〜2年ほど | 非常に強い | リフトアップの効果を感じやすい |
- PDO(ポリジオキサノン)
持続期間が6ヶ月ほど。外科手術でも使用される糸。糸自体に摩擦力が生まれる特性があるため、肌の引き締めにも効果的です。 - PCL(ポリカプロラクトン)
持続期間が2〜4年ほど。FDA(アメリカ食品医薬品局)に承認されている糸で、骨細胞を誘導するのに使用される糸。特徴として、熱に弱く、60度くらいで溶けてしまうため、HIFU(超音波を使って肌のたるみを改善する治療)などで溶けてしまう可能性があるため、他の美容施術との併用は難しいです。
- PLA(ポリ乳酸)
持続期間が約1年半〜2年ほど。FDA(アメリカ食品医薬品局)に承認されている糸で、先端が丸いため、ダウンタイムが少ないのが特徴です。また、糸自体が硬く、形状を自在に変えることができるため、凹凸やトゲを付けることで、リフトアップ効果を強化することができます。
クリニックによって使用する糸が異なるため、施術前に、どのタイプの糸を使用しているか確認しましょう。
糸リフトと切開リフトの比較
糸リフトと切開リフトの大きな違いは、切開の有無です。
切開を伴う方が、リフトアップ効果や持続期間も長いですが、ダウンタイムの長さや傷跡が目立ちやすいなどのデメリットも大きいです。
それぞれの違いについて、一覧で確認しましょう。
メリット | デメリット | ダウンタイム | 手術時間 | 持続期間 | ||
糸リフト | ハイパーリフト・スレッドリフト |
・リフトアップ ・肌の若返り ・傷が目立ちにくい |
・切開リフトに比べると効果が劣る ・持続期間が短い |
1週間〜1ヶ月(本数や個人の状態による) | 30分程度 | 1年〜1 半年程度 |
テスリフト・MWリフトデュアル |
・リフトアップ ・脂肪萎縮効果 ・美肌効果 |
・腫れやひきつれ ・しこりやアレルギー反応 |
1週間〜1ヶ月(本数や個人の状態による) | 30分程度 | 半年〜4年程度 | |
切開リフト |
・リフトアップ ・持続期間が長い ・糸リフトよりも効果を実感しやすい |
・術後の腫れや浮腫、出血などでダウンタイムが長い ・1週間ほど包帯圧迫が必要 ・傷跡が目立つ可能性がある |
・1〜2週間、長くても1ヶ月ほど(個人の状態による) ・傷跡は半年〜1年ほど |
2〜4時間程度 | 5年〜10年程度 |
糸リフト
◼️メリット
1.効果を実感しやすい
施術直後からリフトアップを感じやすく、肌の若返りも期待できます。
2.切開をしないため、傷が目立ちにくい
メスを使用しないため、大きな傷はできません。糸を入れる部分に針を刺すだけなので、傷跡の心配をせずに受けられます。
◼️デメリット
1.効果の持続期間が短い
たるんだ皮膚を吊り上げるだけなので、糸が緩んだり、取れる、糸の寿命と効果がイコールになります。
2.強いたるみには効果が薄い
強いたるみに対しては、狙った効果を出すのが難しい可能性があります。その際は、切開リフトをご提案させていただく場合があります。
◼️ダウンタイム
通常、1週間程度で腫れや内出血が引き、長い方でも1ヶ月後には、症状がなくなる場合が多いです。
切開リフト
◼️メリット
1.効果を感じやすく、持続期間も長い
切開リフトでは、たるみの原因となる皮膚とSMAS(脂肪層と表情筋の間にある薄い膜)を引き剥がして引き上げるため、1度の施術でより効果を実感しやすく、持続期間も長いです。
2.糸リフトでは対応できない強いたるみにも対応できる
メスを使用しないため、大きな傷はできません。糸を入れる部分に針を刺すだけなので、傷跡の心配をせずに受けられます。
◼️デメリット
腫れや内出血が生じやすく、ダウンタイムが長いです。また、傷跡が目立ちやすい場合が多いです。
切開の傷跡は、半年〜1年ほど見ていただくと目立ちにくくなりますが、個人差があります。
◼️ダウンタイム
個人の状態にもよりますが、通常1〜2週間、長い方で1ヶ月ほど痛みや頭痛、だるさ、発熱などが生じる場合があります。
また、術後は、包帯圧迫が必要です。また、傷跡が目立ちにくくなるには、半年〜1年ほど期間がかかります。
こんな方におすすめ
糸リフトか切開リフト、どちらの施術を受けるか迷っている方は、以下を参考にしてください。
ただし、個人の状態によって異なる場合がありますので、医師がカウセリングをもって、適性を判断します。
糸リフト
たるみが軽度で、皮膚の弾力性がある方
- 手術や切開を避けたい方
- 顔や首の軽度なたるみやしわを改善したい方
- リフトアップやフェイスラインの改善したい方
- 若々しい印象を保ちたい方
切開リフト
中程度から重度のたるみがあり、皮膚の弾力性が低下している方
- 顔や首のたるみやしわが目立ち、リフトアップが必要な方
- 切開手術に抵抗がなく、手術リスクを受け入れることができる方
より持続性の高いリフトアップを望む方
- 輪郭やフェイスラインの改善を大きく求める方
テスリフト(PDO)
糸リフトで使用される糸にメッシュが追加されていて、糸の引き上げる力が強くなっている分、少ない本数でより効果を実感しやすいですが、持続期間が半年〜1年と少し短いのが特徴です。
テスリフトの素材のPDO(ポリジオキサノン)は、リフトアップ効果以外にも、糸がしだいに分解・吸収されていく過程で、コラーゲンやエラスチンが生成され、小顔や美肌効果も期待できます。
韓国のZISHEL社で開発された糸で、韓国の厚生労働省MFDS(食品医療安全処)の認可があり、日本のみならず世界中で使用されています。
こんな方におすすめ
テスリフトは、持続期間が半年〜1年と比較的短く、並程度のリフトアップ効果のため、はじめて糸リフトを受ける方におすすめです。
顔の大幅な変化を避けたい方や、急激な変化に不安を感じる方に向いています。
継続してリフトアップしたい場合は、持続期間が長い他の糸もしくは切開リフトをおすすめします
期待できる効果
- リフトアップ
- 脂肪萎縮効果
- 美肌効果
MWリフトデュアル(PCL)
MWデュアルリフトは、丈夫で滑らかな複数の異なる糸からできています。
約2年ほどかけて徐々に体内に分解・吸収され、高いリフトアップ効果と、たるみ予防を期待できます。
MWデュアルリフトの素材のPCL(ポリカプロラクトン)は、PDO同様に、糸がしだいに分解・吸収されていく過程で、コラーゲンやエラスチンが生成され、小顔や美肌効果も期待できます。
こんな方におすすめ
MWデュアルリフトは、PDO、PLAの中で最も効果の持続期間が長いため、よりリフトアップ効果を持続させたい方におすすめです。
期待できる効果
- リフトアップ
- 美肌効果
施術の流れ
カウンセリング・診察
事前準備(マーキング・麻酔)
糸の挿入
施術終了
アフターケア・経過観察
料金
それぞれの料金一覧です。
※美容ケア初診料として別途2,200円かかります。再診料として1,100円かかります。
施術内容 | 金額 |
糸リフト(ハイパーリフト) | |
糸リフト(テスリフト) | |
糸リフト(MWデュアルリフト) | |
切開リフト |
副作用や注意点について
1.腫れや内出血
施術後、一時的な腫れや内出血が発生することがあります。通常、数日から数週間で改善しますが、個人差があります。症状がひどい場合は、すぐにクリニックまでご相談ください。
2.感染・合併症
顔面神経麻痺や皮膚の壊死といった合併症、手術部位が感染するリスクがあります。施術前後の適切な衛生管理や医師の指示に従うことで、感染リスクを最小限に抑えることができます。
3.感覚異常
皮膚を持ち上げているため、最初は違和感があることがありますが、数日から1週間程度で馴染みます。
4.糸が緩む・抜ける可能性
糸が自然に緩んだり、抜けることがあります。これにより、リフト効果が失われる可能性があります。
5.左右差
施術方法や個人の状態によって、左右差が生じる場合があります。ただ、そうならないように、糸リフトの場合は、糸の本数を調整したり、切開リフトの場合は、入念な経過観察を行い、なるべくご希望のフェイスラインの実現に努めます。
そのほか、国内での承認が得られていないため、重大なリスクが明らかにされていない可能性があります。
よくある質問
Q糸リフトと切開リフトの違いはなんですか?
切開を伴うか、持続期間が異なります。糸リフトは、切開をせずにリフトアップを行い、糸の種類によって違いはありますが、半年〜4年ほどの持続期間があります。切開リフトは、文字通り切開をしてリフトアップを行い、5〜10年ほどの持続期間があります。
Q切開リフトを受ける年齢はいつ頃が良いですか?
40〜50代あたりが目安です。ただ、たるみやしわが気になる年齢は、人によって異なるため、気になったタイミングでクリニックへ相談しましょう。
Qいつからマッサージして良いですか?
施術から1〜2ヶ月ほど経ってからなら問題ないです。ただ、マッサージは、顔のたるみが促進されるため、何もやらない方が良いです。
Q糸リフトは、何年持ちますか?
一般的に吸収性の糸であれば、PDOは半年〜1年、PCAは2〜4年、PLAは1年半〜2年とされています。ただ、コグが引っかかっている脂肪が重量によって落ちてしまうため、糸が残っていても効果を感じられる期間には個人差があります。
Qメイクはいつからできますか?
施術当日からメイクをすることは可能ですが、クレンジングなどで強くこすることは1週間程度避けてください。
まとめ
フェイスリフトには、大きく糸リフトと切開リフトという2つの方法があり、一人ひとりのお悩みによって、使い分けが必要な施術です。
糸の種類や切開後の傷跡など気になる部分が出てくると思いますので、気になる方は、当クリニックまでお気軽にお問い合わせください。
当クリニックでは、お顔のリフトアップに長けた形成外科専門医が在籍しており、あなたのお悩みに合わせて、適切なメニューをご提案させていただきます。
まずは、カウンセリングを通して、お気軽にご相談ください。
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医療法人七彩 理事長 本間 理加
監修者
これまで大学病院に長く従事し、白内障手術をはじめとして、網膜硝子体手術、緑内障手術、眼瞼下垂、角膜移植など様々な眼科手術に豊富な執刀実績を持ちます。現在医療法人七彩の理事長として川越エリアを中心として手術に特化した眼科クリニックを2医院展開しています。