白内障の両眼同時手術について

白内障手術は医療技術の進歩と共に安全性が確立された手術で、現在では多くの眼科施設で入院を必要としない「日帰り手術」が行われています。

日帰り白内障手術において、別日で「片眼」ずつ手術を行うことが基本となります。
一方で、一部の眼科施設では両眼の同時手術を行なっており、当院でも両眼同時手術に対応しております。それぞれにメリット・デメリットがあります。

この記事では片眼ずつの白内障手術が基本となる理由から両眼同時手術のメリットやデメリット、それぞれの手術方法を比較していきます。

目次

片眼ずづ白内障手術を行う理由

片眼ずつ白内障手術を行うのは主に下記の2つが理由となります。

①感染リスク

②レンズ微調整の機会が減る

1つずつ見ていきましょう。

感染リスクについて

白内障手術では約3mmの切開創から眼内レンズを挿入する手術で、眼科手術の中で「内眼手術(眼球内部で行う手術)」に分類されます。
内眼手術の1番のリスクは眼球内部で感染症を引き起こす可能性があることです。、レンズ挿入時の創口から細菌が侵入し、確率は「0.02%」と非常に稀ではありますが、「術後眼内炎」を引き起こすことがあります。
術後眼内炎が発生した場合、緊急の処置が必要になり、この処置が適切でないと最悪の場合失明に至ります。
万一眼内炎が発生した場合でも、片眼のみの手術の場合、細菌感染を片眼のみに留めることができ、リスクを最小限に抑えることができます。

レンズ微調整の機会が減る

白内障後に挿入する眼内レンズ(単焦点・多焦点眼内レンズ)は多種多様のタイプがあり、患者さまのご希望の見え方に合うレンズを選定することが重要になります。
しかし、手術前に術後の見え方をイメージして選んだレンズが、「手術前にイメージしていた見え方と違う」、「視力は出ているが、やはりもう少し近くも見えると便利」ということも起こりえます。
片眼のみの手術であれば、仮に見え方に相違があったとしても、もう片方のレンズで再調整する、もしくは違うタイプの眼内レンズを組み合わせてご希望の見え方に近づけることが可能です。

両眼同時手術について

前述のよう片眼ずつ手術を行う理由はありますが、両眼同時手術のリスクは回避できないというわけではなく、手術の方法や対応次第でリスクを大幅に減らすことができます。
感染リスクについては、医学的根拠・ガイドラインに基づいた消毒や滅菌、適切な機材を用いて手術を行なっている限り、眼内炎が発生する確率はゼロに近くなります。
また、眼内レンズの選定もそれぞれの眼内レンズのメリットデメリットを把握し、患者様のライフスタイルに併せて、医師と十分なコミュニケーションを取りながら選定することで、眼内レンズのミスマッチを避けることができます。
両眼同時手術で患者さまが享受できるメリットも多いので、それぞれ紹介します。

メリット

・早期の日常生活への復帰
術後数日間の間、レンズを挿入した創口からの細菌の感染症リスクを防ぐため、洗顔や入浴などをはじめとする日常生活の制限があります。
片眼ずつの場合、上記のような生活の制限期間が左右2回分あるため、日常生活への完全復帰までの期間が伸びてしまうことがあります。
また、術後の見え方も片眼ずつとなってしまうので、見え方に慣れて普段通りの生活に戻れるまでに時間を要します。
両眼同時手術の場合、術後当日はぼんやりとした状態ですが、翌日から両眼とも同じように視力が出始め、早期の日常生活への復帰が可能です。

左右の見え方のバランスが取りやすい
片眼のみの手術の場合、片方の目は「水晶体が提出されて眼内レンズが挿入されている状態」、もう片方は「手術前で水晶体が温存されている状態」ということもあり、2回目の手術を受けるまでは左右の見え方に違和感があり、人によってはこの見え方が生活に支障をきたします。
対して、両眼手術では手術直後から、左右の見え方に差が生じにくく、左右のバランスが取りやすくなっています。

・通院頻度、費用負担を減らすことができる
術後の目の状態の検査、診察を行うために術後検診が必要となります。
例えば、当院では「手術日、術後翌日、翌々日、術後4日後*」を1セットとして術後通院期間と定めております。
片眼ずつの場合、術後の通院期間が2セット分になりますので、通院回数が増えます。
また、検診にかかる費用やクリニックまでの交通費用もかさむため、費用的な観点であれば通院回数が1セットで済む両眼同時手術が良いでしょう。
*術後4日後の検診以降は目の状態に問題がなければ徐々に受診間隔を伸ばしていきます。

デメリット

レンズを微調整するチャンスがない
片眼ずつの手術の場合、片方の目の見え方を実際に確かめた後、もう片方のレンズの見え方を調整できますが、両眼手術の場合はこの調整ができません。

手術日には付き添いが必要
術後は当日は両眼ともぼんやりとした見え方になり、患者様お一人でご帰宅されるのは危険が伴う可能性がありますので、ご家族の方々に付き添いをしていただく必要があります。

片眼ずつの手術と両眼同時手術の比較

両眼同時手術片眼ずつの手術解説
感染のリスクやや低い低い片眼手術の場合は万が一感染症が起きても、片眼のみの発症に留めることができ、リスクが最小限になります。
術後の見え方のズレ再調整できない再調整できる片眼のみの手術であれば、仮に術後の見え方に相違があったとしても、もう片方の眼内レンズで再調整することが可能です。
日常生活への復帰早い遅い片眼ずつの場合、術後の生活制限期間が左右2回分あるため、日常生活への完全復帰までの期間が伸びてしまうことがあります。
左右の見え方の
バランス
良い慣れるまで
時間がかかる
両眼手術では手術直後から、左右の見え方に差が生じにくく、左右のバランスが取りやすくなっています。
費用負担少ないやや多い両眼手術の場合、術後通院期間が1セットで済むため、検診費や交通費の負担を抑えることができます。
手術日の付き添い必要必要なし術後当日は両眼ともぼんやりとした見え方になり、患者様お一人でご帰宅されるのは危険が伴う可能性があります。

両眼同時手術が向いている方


・ご高齢の方や、身体に不自由があり通院に困難を要する方

・遠方からの手術施設へお越しいただくことをご検討されている方

・お仕事が忙しく、復帰までの期間をなるべく短くしたい方

両眼同時手術が適用にならない可能性がある方


以下に当てはまる方は両眼同時手術が不適用となる場合があります。
詳しくは当院へお問い合わせください。


・緑内障や網膜疾患と白内障の同時手術が片眼に予定される場合
・水晶体嚢(水晶体や眼内レンズを覆う袋)を支える「チン小帯」が弱い場合
・角膜混濁などが見られ、難症例の白内障手術となる場合
・レーシック(LASIK)やその他の内眼手術の術後で、白内障手術後の見え方を片眼ずつ確認するのが望ましい方
・腰や首の状態が悪いなど仰臥(仰向け)に困難のある方
・パニック障害や閉所恐怖症を患い、特殊な薬剤が必要な方
・認知症などで長時間の姿勢保持や手術中の意思疎通のご協力が困難な方
・80歳以上の方(チン小帯脆弱など不適用となる条件が多くなるため)
・多焦点眼内レンズやモノビジョン(左右で眼内レンズの度数を変える)をご希望の方
・前立腺肥大症の治療薬を内服した経験がある方

当院の白内障手術

当院では患者様のご希望に応じて日帰りでの両眼同時手術に対応しております。

これまで白内障手術について1万件以上の執刀実績を有する当院院長が、患者さまのご希望をヒアリングした上で、どちらの手術方法が患者様に適しているかをご提案・ご説明させていただきます。
また、感染症対策を徹底したクリーンな手術室、滅菌設備を十分に取り揃え、両眼手術の場合は片方の目ごとで手術に使用する機器などを交換することで、感染症のリスクを最小限に抑える取り組みを行なっております。
眼内レンズも単焦点眼内レンズから選定療養・自由診療の多焦点眼内レンズまで豊富なラインナップを取り揃え、眼内レンズに精通した医師・スタッフによる丁寧なヒアリングの元、どの眼内レンズが患者様のライフスタイルに適しているかをご提案させていただきます。

白内障手術の手術方法や眼内レンズについてお悩みの方やご検討中の方はお気軽に当院へご相談くださいませ。

医療法人七彩 理事長 本間 理加

まとめ


・白内障手術は片眼での手術が基本となるが、両眼での手術も可能

・「感染リスク軽減」と「術後のレンズによる見え方を微調整できる」という2つの理由で片眼のみの手術が基本的になっている

・両眼同時手術は主に「早期の日常生活への復帰」と「通院回数を減らすことができる」というメリットがある

お問い合わせはこちら
049-246-1001
9:00〜17:30 
休業日/日・祝
この記事の監修者
院長先生の写真
医療法人七彩
理事長 本間 理加 医師
これまで大学病院に長く従事し、白内障手術をはじめとして、網膜硝子体手術、緑内障手術、眼瞼下垂、角膜移植など様々な眼科手術に豊富な執刀実績を持ちます。現在医療法人七彩の理事長として川越エリアを中心として手術に特化した眼科クリニックを2医院展開しています。

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